ITエンジニアが地方で働くメリットと注意点を解説!
ITエンジニアにはさまざまな働き方があります。そのひとつが「東京ではなくあえて地方に住みながら働く」という形です。東京にこだわらずに自分が好きな土地で暮らしながら仕事をするというのはとても魅力的ですが、どのようなメリット・デメリットがあるのでしょうか?
1.働き方の多様化でITエンジニアの地方移住が進む?
政府が主導する、首都圏に集まるさまざまな機能を地方に分散させる取り組みである「地方創生」の後押しもあり、
企業がサテライトオフィスを地方に設置するなど、東京から離れても働ける選択肢が増えています。総務省地域力
創造グループ 地域自立応援課が平成29年に実施した「サテライトオフィス」設置に係る民間企業等のニーズ調査でも、30%以上の企業がサテライトオフィスの導入に前向き、あるいは既に導入済みだという結果が出ています。
また、ITエンジニアが取り組む仕事の多くはネット環境があれば完結するものが多く、必ずしも対面で仕事をすることにこだわる必要がありません。そのため、リモートワークや在宅勤務を導入する企業も出てきており、働き方の多様化を後押ししています。
国土交通省がまとめたNPO法人ふるさと回帰支援センターの利用状況調査からも、地方へのUターン・Iターンの需要が高まっていることがわかります。2008年と2014年を比較すると、ふるさと回帰支援センターへの問い合せ・来場者数は約6倍にも増加しているのです。
2.ITエンジニアが地方で仕事をするメリット
それでは、ITエンジニアが地方で仕事をすると、具体的にどのようなメリットがあるのでしょうか?
●固定費が安く済む
まず、固定費が安く済むことがあげられます。とくに家賃に関しては、広さや間取りなどが同条件の住まいでも東京の半額程度になることは珍しくありません。
東京と比較したときに生活に必要なコストが圧倒的に安いので、同程度の収入があるのなら地方に移住した方が余裕のある生活ができます。
●リモート可能な案件の増加
ITエンジニアの需要は年々高まり続け、慢性的な人手不足の状況にあります。そのため、ITエンジニアにとって取り組みやすい仕事、つまりリモート可能な仕事の件数も年々増え続けているのです。
さらに単発業務のニーズも多くあるため、プロジェクトごとに発注されるフリーランスとして取り組める仕事も多く存在しています。
●バックアップ体制の整備
地方創生の後押しもあると先ほど触れましたが、地方の各自治体側でもITエンジニアを多く迎え入れるために手厚い施策が用意されている場合もあります。
例えば徳島県には、
「Turn Up徳島」というITエンジニアに特化した移住支援プロジェクトがあります。Turn Up徳島のサイトに登録し求職活動を行うと、以下のようなサポートがすべて無料で受けられるという好待遇ぶりです。
・企業紹介
・選考活動のサポート
・条件交渉
・入社前の準備
3.ITエンジニアが地方で働く際の注意点
メリットや多くのサポートがあるとはいえ、ITエンジニアとして地方で働こうとする際には、気を付けるべき点がいくつかあります。
「ITエンジニアの仕事はネット環境があれば完結する」ということは、仕事相手と直接顔を合わせる機会が減ることになります。そのため、どの程度仕事を貰えるかが、より純粋にスキルレベルに依存することになるのです。ときには「これだけ高いスキルを持っています」と正確に売り込むための営業力も必要になります。
●単価が安い場合が多い
地方で仕事をするメリットとして、家賃などの生活コストが安いということをあげました。
なぜ、生活コストが安いかというと、地方は物価が安いからです。つまり、同じ仕事であっても、東京で受注するより地方で受注する方が仕事の単価が安くなることが多くあります。
効率よく稼ごうと思うと、自分自身で単価を上げるための対策を考えなければなりません。客観的にスキルの高さをアピールできる資格の獲得や、営業力を磨くなどということをする必要が出てきます。
●最新の情報が入ってこない
東京で大きく流行したものが地方で流行するまで、1年くらいの時差がある場合があります。これは情報についても同じようなことがいえます。
今はネットがあるため能動的に調べればある程度はカバーできるかもしれませんが、それでも遅れは発生するでしょう。流行している現地で得る生の情報と、ネットなど伝聞で得た情報のどちらが良いかはいうまでもありません。
また、スキルアップのための勉強会やセミナーなども多くの開催地は東京であり、地方の情報格差は大きなデメリットとなります。
●仕事数が不安定
地方でフリーランスのITエンジニアとして働く場合、安定して仕事を貰えるかは死活問題となります。仕事を探すところから自分でやらなければならないため、案件数、収入ともに不安定になりがちです。
とくに地方でフリーランスとして仕事をする場合は、東京などに集まりがちな仕事を獲得できる力や、自分に仕事を振ってくれる人脈が必要になります。正社員としてサテライトオフィスや在宅勤務のリモートワークをする場合は、本社が東京などの都会にあれば案件も多く振ってもらえます。
4.まとめ
自分の好きな土地で暮らしながら、満員電車での通勤などから開放されて仕事をできるのは、確かに魅力的です。しかし、デメリットや十分な対策を講じなければいけないことも多いため、自信がない人は都会で働く方が良いでしょう。あこがれから地方へ移住し、生活が破綻してしまっては元も子もありません。
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