◆◆ お役立ちコラム ◆◆


実は難しいITエンジニアの在宅勤務、
都内での求人は常駐勤務がメイン



    

ひじ鉄



ITエンジニアというと、パソコンさえあれば仕事ができるため在宅勤務が容易にできる、というイメージがあります。 しかし、実際はそうでもありません。
在宅でできるエンジニアの仕事は意外と少なく、多くの企業に求められるエンジニアは常駐できる人です。
さらに、未経験や経験の浅い場合は特にその傾向が強く、最初は常駐型の職場で実務経験を積むのがおすすめです。
ここでは、ITエンジニアの勤務形態の実情について、解説します。



1.エンジニアの仕事は在宅でできない場合が多い


なぜ、ITエンジニアの仕事は在宅勤務に向いていないのでしょうか?
在宅勤務が難しい理由についてご説明します。

●セキュリティ面の厳しさ


在宅勤務が難しい最も大きな理由として、セキュリティ面の問題があります。
自宅やサテライトオフィスで仕事をするためには、社外に仕事に必要な資料を持ち出すか、もしくは社外から社内ネットワークにつながる環境を整えなければなりません。
しかし、そうすると、社外に社外秘資料や個人情報が流出する恐れがあります。
IT業界では、設計書やシステムのプログラムなどのデジタルデータがすべてという面もあります。
そのため、セキュリティ面には特に神経質な業界なので、セキュリティ面に問題がある在宅勤務が難しくなっているのです。

●勤怠管理・労務管理の難しさ


在宅勤務にすると、いつ仕事をしたのか、何時から何時まで、残業時間は何時間なのかを把握するのが難しいという問題もあります。 また、従業員が職場から離れた在宅で勤務すると、上長が部下の労働状況を把握できません。
そのため、在宅勤務を制度化するためには、在宅勤務者が自宅から上長に勤務状況を報告できる勤怠管理・労務管理システムを導入するなどの対応が必要です。

●マネジメントが必要なケース


仕事を始めたばかりでつきっきりで仕事を教える必要がある、頻繁に会議で意識のすり合わせが必要な仕事であるなど、マネジメントが必要なケースも在宅勤務に向きません。 スカイプや電話会議を利用するという方法もありますが、直接話せる環境が優先されます。


2.エンジニアの働き方改革


今、日本企業全体で労働環境を大幅に見直す取り組みが進んでいます。
もちろん、IT業界でも同じことです。
ここでは、在宅勤務に関係したエンジニアの働き方のメリットについてご説明します。

●長時間労働の改善


長時間労働はどの業界でも問題視されていますが、IT業界では特に深刻です。
常駐型だと長時間働くことが評価されがちです。
しかし、今、世の中では、労働時間ではなく仕事の結果で評価する方向に改善が求められています。 在宅勤務なら労働時間によらずどのような仕事をしたかという観点で評価しやすいため、長時間労働の見直し手段の一つとして期待されています。

●柔軟な働き方


長い通勤時間による労働者の負担が問題視されています。
毎朝1時間から2時間かけてラッシュの電車に揺られ、長時間勤務をこなしたあとにまたラッシュの終電で帰るという生活は、労働者に大きな負担です。 在宅勤務は、通勤時間の削減という側面において、働き方改革にとって非常に有効です。
IT業界では柔軟な働き方への変換が進みつつありますが、まだまだ少数であり改善の余地は十分あります。 在宅勤務やテレワークという働き方を積極的に導入し、長い通勤時間を削減できるだけでも、労働者の負担を大きく減らせます。


3.未経験なら在宅に限定せず幅広い案件探しを


未経験者がITエンジニアとして就職や転職をする場合、在宅勤務OKの求人を探すのはどうなのでしょうか? 実は、在宅勤務の求人は未経験者向きではないため、在宅勤務にこだわらない案件探しが肝要です。 ここでは、なぜ未経験者に在宅勤務案件が向いていないのかをご説明します。

●まずは実務経験を得ることが一般的


IT業界はスキルや実績が重要視される業界です。 プログラミングやシステム開発などのスキル、実績がなければ、就職や転職は難しいでしょう。 未経験者は、まず、実務経験を積みスキルや経験を高める必要があります。
ところが、在宅勤務ではそれが難しい環境です。 スキルを高めるためには、経験者から直接仕事を教わったり経験者の仕事を間近で見たりする必要があるからです。 現場で場数を踏むほうがよっぽど効率よく手に職がつけられます。 独学でもスキルアップは可能ですが、実務経験を高めることは難しいでしょう。
未経験者は、まずは常駐スタイルの職種で上司や先輩社員に仕事を教えてもらいながら、じっくりと仕事に打ち込むべきです。


4.まとめ


IT業界における在宅勤務の実情についてお話してきました。
セキュリティ面や勤怠管理、労務管理などの問題により、IT業界では在宅勤務が難しいという実情があります。
また、IT業界未経験者は、常駐勤務で先輩社員から仕事を教えてもらってスキルと経験を高める必要があるため、特に在宅勤務の求人は向きません。
IT業界の仕事を探す際には在宅勤務にこだわらず探したほうが見つけやすいともいえるでしょう。


TOPへ戻る
(C) Copyright 株式会社エースソフト All Rights Reserved. Since 2010.10.01.